今や大手電機業界でも立ちゆかなくなってしまう時代です。
我が国で見ると電機業界に限らず他の業界も、けして明るいとは言えません。
しかし、いくつかの課題こそあるものの 自動車産業は安定し堅調に利益を上げています。
何故自動車業界への就職転職を検討される事を勧めてるのか理由をお伝えしましょう。
他業界との差別化
電子制御時代に突入し、昔と比べ車産業は他業界とシームレスになったとは言え、いぜんとして物作り産業最強の地位を誇っています。
その仕組みは他社には絶対譲れない技術の秘密がある反面、他社への技術供与等の事象もあり統一規格の立案整備等も比較的速やかに決まる事が多い事に表れています。
他業界のように全てを秘密にするような考え方では無い事がこの業界の成長を牽引していると考えられます。
例えば今後増えるであろうEVステーションの規格共通化等にも表れていて供給の規格が速やかに共通化決定される事等が他業界とは異なります。
自動車業界は周りの環境の変化に常に柔軟に対応出来る力を持っている為、現在最強の地位に君臨し続けられるのだと思います。
回りの環境とは車自身所有から利用と言う車本来の使われ方に変化しつつありそれに柔軟にシェア技術等で対応しています。
又、環境への配慮が叫ばれれば環境負荷の少ない技術を開発し、協力会社含め一丸となって開発し、そのスピードは他業界では真似が出来ません。
国際競争力のレベル
日本の車 MADE IN JAPAN は世界的に見てトップクラスであることは、今や誰もが知っている事実です。
自動車の運転は認知、判断、操作の3つの動作で行われており、それら全ての動作から人力を外し完全にミスを未然に防ごうとしているのは実は日本車だけなのです。
これらの考えに経産省が支援する意向を示していることで、より一層自動車業界が活況になり開発速度も増し世界シェアを取りやすくなる環境が揃ってきた事も背景にはあります。
自動車業界の強さとは?
理由の1つには、昔からこの業界に国がほとんど補助を行ってこなかった事にあります。
かつて国はこの業界の足を引っ張る様な政策を繰り返してきた過去の歴史があるのです。
最大の課題は、利益規模で見ると自動車産業以上の稼ぎ頭がいないという点です。
そして、自動車産業自身が内部的に利益を再投資することを求められ、自律的な投資循環を行わなければならないと言う構図が出来上がりつつあります。
では、何故こんなに安定した業界になったのでしょうか?
80年代アメリカで日本車の販売台数が増え過ぎて貿易不均衡になった際、アメリカ側から圧力を掛けられ、日本政府は「自主規制」という名目で自動車産業に厳しい輸出規制を行いました。
規制を掛けたのに日本政府は補助金の類いは一切考慮して来ませんでした。
これが自動車産業に自主独立精神を育てる事となり、その流れは現在も受け継がれ今や単独でも十分に世界と戦える業界へと変貌する事となった訳です。
グローバル化した理由
80年代に日本車は「自主規制」と言われる”輸出の規制”を掛けられ自動車を輸出しにくくなりました。それらの規制を回避する為、自動車業界は、こぞって海外に工場を展開し始めると言う動きを加速し始めました。
これらの策が、後にこの業界が国際企業になって行くきっかけとなりました。
以後、何度もの円高不況になるものの、その都度国内生産比率を調整等してこの危機を乗り越えて来きました。
例えば現在アメリカ市場で販売している車の大半の部品は、現地の労働力を起用し現地の会社で生産しているのが現状です。
これらの行いが現地雇用での反感を回避し、為替レートの影響をあまり受けないと言う、強い基盤の業界へと発展する原因の一つにもなりました。
自動車業界の意識
自動車メーカーは批評を真摯に受け止められる業界です。
巨額の開発費を投じた商品が世に出た途端、稀にダメ出しされるという事もあります。
メーカーはこれらを前向きに捉え、貴重な意見として受け止め、反芻し、次の開発に活かしていく事が出来る業界です。
40年間反芻し続けた結果、世界と互角に戦える品質及び業界になりました。
そして時代の流れを常に分析して極めて安定した業界になる事も出来ました。
世間からの評価
自動車は何時の時代も文明を象徴する道具であると共に、文化的要素も持ち合わせます。
特に文化的要素は黎明期から性能を競うためのモータースポーツで各社と差別化を図りそれぞれにおいて性能面で発達してきました。
世間一般から見れば、自動車産業は良い事尽くめではありません。
最近の若者達は車の所有を”経済的負担”と捉えています。
自動車の所有には、車検、自動車税、強制及び任意保険、駐車料金、有料高速道路、ガソリン代等、多くの維持費用がかかります。
現代の日本の生活スタイルが所有から共有へと変わろうとしています。
このように車に対する価値観の変化や経済的状況は車ビジネスにおいて大きな障害となっており、国内での自動車消費の減少につながっています。
販売台数のピークは1990年代の780万台、現在はその約70%まで落ち込んでいます。
この面を踏まえ同じ状態では成長への期待はほとんどなく、自動車の売り上げは、消費税の引き上げに伴いさらに減少し続けるというのが世間の評価です。
世間一般の評価は貴方の評価と一致するのでは無いでしょうか?
しかしながらこの業界は次、更に次の手を考えてそれに向かい進行している事を忘れないで頂きたいです。
モータースポーツへの取り組み
自社の商品を使い国内のみならず国際競技を行っている産業は自動車以外見当たりません。
他業界は競技や競技やアスリート達へのスポンサー位で、その製品自体競わせる事は皆無と言えます。
そして、各自動車競技において各々かなりの好成績を得ているのも特徴的です。
又、その成績は国内よりはモータースポーツの歴史の長い国外において、より評価されています。
有名なホンダやトヨタのF1挑戦やマツダや日産のルマン挑戦、三菱やイスズ及び日野のダカールラリーへの挑戦、スズキのパイクスピーク等のヒルクライム挑戦等、他業界ではけして見られないは活動は目を引きます。
モータースポーツに参加していないメーカーは国内メーカーでは皆無ですが、世界的に見ると参加していないメーカーは何か特別な理由を抱えているとさえ思われてしまう風潮です。
本田の創業者の故本田宗一郎はレースは走る実験室と迄語りました。分業が進んで大規模な現在の会社では中々その精神を貫く事は難しいとは思いますが、現在でも脈々と流れ続けています。
業界の意識の高さ
そして、どのメーカーも大切な命を乗せ、限りあるエネルギーを消費しているという意識を強く持っています。
安全と環境の為には、開発半ばの先端技術を惜しげもなく投入する事も躊躇しない業界であり、膨大な開発費の出費も厭いません。
最近種々の補助金を大量に使っているとも言われますが、自動車関連で払っている税金の総額から考えれば微々たる金額と言えるでしょう。
何故就職転職の候補に自動車業界をお勧めするのか?
自動車業界は、入社時点での社員のレベルだけを見れば、他製造業とさほど大差はありません。
むしろ他業界より一般的なレベルとさえ思われています。
自動車以外の産業は特に優秀な人材がたくさんいるのに、何故か国際競争力を大幅に落としてしまっています。
それは自動車業界のような強固な基盤が無かった事に起因しています。