自動車業界への就職・転職

メーカーでの仕事内容や待遇はどんなもの?

メーカーでの仕事内容や特徴

自動車メーカーに就職転職しても、仕事内容が自身の思い描く物とかけ離れていたり、残業ばかりで日常生活に疲弊してしまうような所だと嫌ですよね?

さて、自動車メーカーの中では、どのような仕事内容で仕事をし、仕事以外の福利厚生やその他の待遇はどうなのでしょう?


メーカーにはどんな部門があって、各々の仕事内容は?

この業界には多くの会社が存在し共存している事が判ったかと思います。

自動車業界のコアであるメーカーの内部には、どんな部門があり又、どのような仕事をしているのでしょうか?

各々の会社で呼び名は多少違いますが、大体以下に記した部署部門の会社が多いようです。

各部署ではどの様な仕事をしているのか

技術系の部門の中にある各部署の仕事内容について記述します。

車両企画開発部門

インテリア/エクステリアデザイン
現及び次期車両の内外装デザイン、カラーデザイン・デジタルデザインに付随してクレイモデルやデジタルモデルの作成部署もあり、新規次期及び現行車両の改良改善開発・ビジュアル化の業務

ボディー設計
エクステリアデザイン(外板やグリル・バンパー・ドア開閉部)の設計・衝突安全・振動騒音・乗り心地等の各シュミレ-ション等の設計開発業務

シャーシ設計
車両基本骨格及び懸架装置(サスペンション)ステアリングやブレーキシステム・ABSアンチロックブレーキシステム・TRCトラクションコントロールシステムの設計開発・デファレンシャル差動装置・電動/油圧制御アクチュエータ等の設計開発業務

パワートレイン設計
高効率エンジン・高燃費エンジン・オートマチック変速機・マニュアルミッション・クラッチ・EV/HEV搭載周辺の機構設計開発及びCAE強度解析シュミレーション・LCA(Life Cycle Assessment)対策業務

試作車開発
次期及び未来型の車両の構想試作設計開発・モーターショウ等への出品車両企画設計及び製作業務

情報システム開発
AI技術や車両EV化及び通信技術、セキュリティに関する企画設計開発業務

電装設計系設計
ワイヤハーネス・シーケンス・コネクタ・車載コントローラー・電動パワーステアリング・キーレスエントリー・各種センサー・ECU・車載通信・制御系ソフトウェア等の電装品全般の設計開発業務

電子制御システムCASE(下記参考)開発
CASEの車両への導入推進設計開発 ECUエンジンコントロールユニットの開発・自動走行システムの確立・EV電動化技術の開発業務

材料開発
新規材料探求や車両への転用可能な材料の開発やCFRP炭素繊維強化プラスチックの成型技術・冷間熱間プレスによるハイテンション鋼材の開発・射出成型用樹脂の開発業務

安全システム開発
自動運転や
衝突被害軽減ブレーキ(ステレオカメラ/ミリ波レーダー)・自動駐車システムの設計開発・誤発進抑制装置・路外逸脱抑制機能・車線維持支援システム

及び、後方誤発進抑制機能・渋滞追従機能・先行車発進お知らせ機能・標識認識機能・誤発進抑制装置・オートビーム等の先進技術の開発業務

法規認証/知財管理運用
各国車用現地登録認可・新パテント調査・現パテント保護・現パテント次期登録案件抵触回避・新パテント登録・総合弁理業務の検討業務

製造生産技術部門

ボディー/溶接/プレス/塗装/組立の生産技術開発
車作りの基本技術である車両骨格作成技術や外板作成、塗装や組み立て性等に最適な生産プロセスの開発やそれに伴う革新技術の開発業務

組立生産技術開発
組立製造技術・組立生産技術の開発、最適な組み立てプロセスを生み出すための技術開発であり無駄の排除し解決するのが生産技術の根幹であり、その方法の模索と研究業務

車両品質生産技術
車作り製作時の際における品質の維持管理・向上車両品質の向上技術の総合的な開発業務

先行生産技術
未来での車作りの際に出てくる様々な要因を推察しそれに対処し、生産プロセスを開発確立する技術開発業務

工程改善
制御・IoT(Internet of Things:インターネット経由でセンサーと通信機能を持った物)等で現行生産の工程の見直し・改善・最適生産プロセス確立の技術開発業務

特殊車両の企画製作
緊急車両や、ウェルネス車両や官公庁納入用特殊車両、その他の特殊車両の企画設計及び開発・改造・製作業務

製造スケジュール管理
各部署個別の総合的なQCD(品 質・コ スト・納期)及びBOM
(Bill Of Material:部品表)の管理企画開発業務

生産物流生産技術
生産物流工程の高効率化・計画改善・現設備改善・情報システムの企画開発業務

アフターサービス部門

生産部品管理
グローバルでの迅速な補修部品供給の為の部品管理の中枢になる業務、及び供給システムの改善・企画・開発業務

品質監査
製品監査・システム監査・QC診断(規定されたことがきちんと行われているかのチェック)から成り主に現行車両への補修部品や用品の企画・開発・販売業務

監査改良
生産設備等、主に現ラインで起こるであろう不具合発生の予測や不具合のや抑止とそれらの監査方法や修復技術の企画確立業務

補修部品供給
グローバルでの現行車両への補修部品の安定的供給方法の企画開発業務

修理技術開発
現行及び先行車両への修理技術研究確立・修理工具企画製作改良・修理施設改善等の企画・開発業務

事務系の部門の中にある各部署の仕事内容について記述します。

企画・開発

国内外営業
国内外における法人営業・販売店管理・広告・マーケティングなどの企画立案業務

コネクティッド(下記参考

コネクティッドサービスの企画開発・マルチメディア連携業務

知財管理
各国車用現地登録認可・新パテント調査・現パテント保護・現パテント次期登録案件抵触回避・新パテント登録の総合管理業務

生産管理部門

生産企画
生産計画の企画立案・遂行・判断・製造予定管理・立案・監査及びQCD:Q(Quality:品 質 )、C(Cost: コ スト)、D(Delivery:納期)及びBOM(Bill Of Material:部品表)の管理業務

ラインチェック
世界中の生産ラインの稼働状態を随時チェックし今後の計画や監査をする業務

品質管理
世界中の協力会社や自社生産物に対するマネジメント及び主要部品・用品・補修部品の一括管理業務

現行車の品質の監視
生産現行車の各国における総合的な自社品質基準に合致しているかどうかの監査を行う業務

購買部門

資材調達
資材調達会社の開発・資材調達に対する企画業務

スケジュール調整
各国における独自の生産スケジュールに対応するため、必要部品の購入タイミングを計る調整業務

価格折衝
協力会社からの部品・資材購入時の購入価格の安定的価格の調整を行う業務

品質チェック
:購入部品・購入資材の基準品質の安定を図る為の監視業務 

販売促進部門

マーケティング
マーケティングコミニュケーション・各ニーズ分析を行い市場の動向と照らし合わせ今後の販売傾向を分析する業務

営業企画
法人営業・ユーザー営業・官公庁営業・海外営業の企画及び販売店営業支援業務

販売促進
現・今後の販売向上の計画立案・国内外の販売店集客支援・マーケティングリサーチや方法企画確立業務

国内外事業支援
国内外の地域やそれぞれの国の特性に合った事業の支援(車関係以外も含む)各種プランニング提案業務

アフターサービス部門

補修部品
国内外の主要部品や補修部品や用品の企画や開発・製造支援・販売業務

用品開発販売
純正オプション部品や純正用品の企画開発から製造支援・用品企画計画・法規合致検討・設計を行い、それらの販売業務

補修部品供給体制支援
主要鵜品・補修部品の企画・開発・製造支援・品質管理・保証、販売・供給体制確立業務

補修部品調達
各国協力会社より主要部品や補修部品の資材及び部品の仕入や仕入価格維持・価格検討・部品部材調達・スケジュール管理・供給体制確立業務

経営企画部門

ニーズ分析
マーケティングにおいて、顧客満足度を高める目的で顧客が必要としている商品やサービスを分析し、競合調査を元に中長期的な経営企画の立案業務

その他の部門

一般企業と同様な部門では、人事部門・経理部門・総務部門・法務部門・財務部門・国内国外広報部門等・情報システム部門等があります。

最近は情報システム部門の中にCASEに伴うITやセキュリティ部門を追加して強化している例が多いです。

業界内で最近良く使われるコネクティッドとは何でしょう?

コネクティッド(Connected) 自動運転(Autonomous) シェアサービス(Shared & Services) 電動化(Electric)の頭文字を取ったCASEの中の1つのキーワードです。

コネクティッドは車両状態や道路状況のデータをネットワークを介して分析し、色々な場面で価値を生み出す「色々つながる」を指します。

この事業には、NTTやKDDI、マイクロソフトやソフトバンク等と協力して現在開発中です。

今後この通信機能を生かすことで、色々なサービス展開が予想されます。

メーカーでの待遇について

車業界は他業界に比べ待遇に関しては非常に手厚いものがあります。

特にメーカー本体は待遇に関して他業界の見本になる位きっちりしています。

休日について

休日に関しては祝日出勤(事業所による)の土日休みで完全週休2日制を採用している企業が殆どで年間休日は120日程度あります。

年末年始・ゴールデンウィーク・お盆が他業界より長いのが昔からの通例です。

地方出身の季節期間工に配慮してのシステムでいまだに続いています。

有給休暇に関してはダイハツやホンダ、トヨタ等が取得率ランキングで常に上位を占め自動車業界は有給休暇に関して取りやすい環境と言えます。

そして残業に関してはその性格上開発部門等は少なからずあります。

メーカーは常に効率を優先していて、残業に関しても例外で無く、残業をしないような勤務形態の実現に取り組んでいます。

NO残業デーを設けるなどして対処している企業もあります。

定時で帰ると上司に睨まれると言ったような、他業界にあるような話は皆無であると言って良いでしょう。

福利厚生について

福利厚生はどのメーカーも特筆すべきと言える位手厚い物です。

福利厚生は非常に充実しており 互助会や見舞金 財形貯蓄 住宅共済会 健康管理センターや独身寮・保養所・スポーツ施設等も充実しています。

財形貯蓄制度や従業員持株制度・社宅・寮も完備しているメーカーは多いです。

業界の歴史が長い為、保養所等は最近の社員のニーズに合わない部分も出てきたので借り上げ方式にチェンジするメーカーも出てきました。

もちろん各種保険 雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金にも必ず加入しています。

どの会社も残業手当、通勤補助等はあり、昇給は年1回賞与は年2回です。

気になる給与ですが、これは各企業の給与のUP率や勤続年数等もある為、よくある平均年収ランキングは無意味と言えます。

しかし一般企業より若干高めの給与水準と思って頂ければ間違いないと思います。

色々言われますが、自動車業界は年功序列の構造が他業界より強い傾向があり給与面も例外ではありません。

又、勤務形態は部署にもよりますがフレックスタイム制を導入するメーカーも最近では多くなりました。

子供託児所・育児休暇や子供手当等、一般に独身者より既婚者の方が福利厚生の恩恵に預かれるのが自動車業界です。

メーカー以外の会社の待遇は?

これはひとえに協力会社の規模によるものが大きいです。

メーカー以外でも大手協力会社(サプライヤー)の中には稀にメーカーに匹敵する又はそれ以上の待遇の会社も存在します。

福利厚生についてもまったく問題ありませんが、メーカー供給以外の一般部品も一般に供給している会社は、世間一般の波をもろに受ける可能性は大いにあります。

そして会社所有の保養所等の数はメーカーには遠く及びません。

又、メーカーには無い独自の手当てや待遇の会社も多く存在しています。

休日に関してはメーカーのカレンダーに合わせる事を基本とし、部材供給要請等で休出になったりします。

特に給与面でなく、仕事の中身についてを待遇と捉えれば、サプライヤー独自のスペシャリストになりえる可能性があります。

段々ターゲットが絞れてきましたか?

どの職種も仕事である以上は他業界と労働に対する苦労は基本的には遜色ないのです。

大手メーカーでも中途採用をするのが通例で通年中途採用を実施しているメーカーさえあります。

即戦力である中途採用こそ今のメーカーが欲しがっている人材なのです。

積極的的に情報をサーチし自身のキャリアをアピールし就職転職に挑戦して下さい。

福利厚生や休日・給与等の待遇も他業界より充実し他業界の手本になっています。

どのメーカーどの部門どの職種が現在と将来の自分に適しているかを十分見極めてください。