オフロードバイクでの林道走行は、傍から見ていると爽快そうな感じを受けるのですが、それ程爽快でもありません。
もちろん下界の街よりは2度程低いのですが、林道走行時の運動量は相当な物で、体は発熱し、自らクールダウンしようとして大量の汗をかきます。
しかもフルプロテクターなので、体は更に大変過酷な状態になります。
重篤な場合は熱中症を発症し、体が動かないと言った状態に迄行ってしまいます。
今回は事前に熱中症の予防とか、どうやれば少しでも快適に林道走行出来るか等をお伝えししょう。
熱中症とはどの様な物なのか?
人間の体の中では、常に”熱”が作られています。
その熱は、気化熱で皮膚から熱を体外に逃がしたり、汗をかいたりして逃がしています。
熱が体の中に溜らない様にしている為に、体温が36℃前後に保たれているのは、そういった体温調節機能があるからです。
ところが、気温が高い場所や、湿度が高い場所や激しいスポーツ(林道走行)等をすると、体温調節機能が上手く働かず、体の中の熱を外に逃がす事出来なくなってしまいます。
体の中に熱が溜って体温が上がったり、急に多くの汗をかいたりして、体の中の水分や塩分が失われてしまう状態の事を言います。
熱中症に掛かるとどうなってしまうのか?
熱中症になったら、体の調子が悪くなって、いろいろな症状が出てきます。
どんな症状が出てくるのか?を知って、事前に体のサインを見逃さず、熱中症にならないように気を付けましょう。
軽度の段階
ヘルメット内でコメカミが痛くめまい等が起こり始めると軽度の状態です。
オンロードでもしばしば起こり、あれっ?何かへんだゾ?と思い始めます。
次に目が良く見えなくなり、この時直ぐに水分を補給するとウソの様に治ります。
これは、脳に届く血液の流れが足りなくなって起こるからです。同じくして、筋肉痛や筋肉が固くなり四肢が痙攣や攣る人もあります。
これらは、汗をかく事で汗と共に体の中の塩分流れ出て足りなくなった時に起こります。
中度の段階
頭痛、吐き気け、体がだるい、と言った状態です。
体がぐったりして、力が入らなくなってしまうこともあります。この頃になると問いかけに反応するのも、めんどうになってきます。
自分がこのような状態の時は、他人に意思表示して休むかツーリングから離脱しましょう。
重度の段階
完全に意識障害を起こします。
痙攣、失神等を起こし、声をかけたり、ゆすったりしても、反応がはっきりしないような状態になります。
体がひきつけを起こしたり、歩けなくなったりする事もあります。
高体温で体に触ると熱いと感じるようになります。
その他の症状や、事前の体からのサイン
汗をかかなくなったり、呼吸が浅くなったり、早くなったりします。
肌が赤くなり熱くなる、ついに水を飲む事もできなくなり、顔面蒼白になり四肢に震えが来る等の事前サインがあるので見逃さない様にしましょう。
対処の仕方は、いずれの場合も、メンバーでそのような人が現れたら、すぐにバイクを涼しい日陰に止め処置をしてあげましょう。
衣服を緩め、塩分を摂らせ水分を補給してあげましょう。
林道内での熱中症対策で有効なのは?
こまめに「水分」を取ろう
水分を取る場合には、出来るだけ「水」を飲むようにしましょう。
そして、のどの渇きを感じる前に、少しずつ「水分」を取る様に心がけましょう。
お茶やコーヒーをたくさん飲むと、利尿作用が働いて、体の中の水分が足りなくなってしまうことがあるから特に注意しましょう。
水分だけでなく塩分もとろう
汗をかくと、体の調子を整える為、必要な塩分も汗と共に体外に出て行ってしまいます。
日々の食事をしっかり摂り、塩分を蓄えておく事が大切です。
多くの汗をかいた後は、スポーツドリンクを飲む事も吸収が速く即効性があります。
もし熱中症になってしまったら、直ぐに涼しい日陰に移動して、休ませる事が大切です。
そして、体に溜った熱を逃がす為に、体に風を当てる様にしましょう。
そして、大切なのが、水分と塩分を摂る事です。
ほんの少しだけ塩を混ぜた水か、スポーツドリンクで水分をとるようにしましょう。
もし氷や保冷剤等があれば、必ずタオル等に巻いてから、首や脇の下等に当てて下さい。
既に意識障害を起こしている場合は、急いで病院や消防に連絡できる場所迄走り、連絡を取り、状況を説明し、指示にしたがって下さい。
私の場合写真の塩タブレットか塩飴とスポーツドリンクを飲んでます。
ハイドレーションシステム
ヘルメットを被って水分補給するには、トレールラン等のスポーツで使われるハイドレーションシステムと言う物を使うといちいちヘルメットを脱がなくても水分補給出来ます。
又。リエゾン区間では乗りながらでも水分補給出来るシステムをご紹介します。
ハイドレーションシステムには色々な種類の物が市販されています。
ハイドレーションシステムは便利な反面、次の使用迄のメンテナンスを怠ると直ぐに雑菌の住処になるので、こまめにメンテナンスしましょう。
写真のタイプは市販のペットボトルに取り付けるタイプでバッグに入れ替える手間も省けるしメンテナンスもチューブ以降をすれば良くかなり楽になります。
バック式のメンテナンスは中に洗剤を入れ掃除後乾燥させるようにします。
ペットボトル式とバック式のチューブは専用のブラシで掃除し、除菌剤のハイター等の溶液に付け殺菌して置くとカビ等の付着防止になります。
いずれも怠るとカビの住処になるのでメンテナンスは怠らないようにしましょう。
バック式はこのようなバックを専用、又はデイパックに入れて使います。
オリジナルハイドレーション
これはステンレスボトルの蓋を改造してハイドレーションのチューブを付けられるように改造したもので、赤いのはワンウェイバルブです。
これが無いと吸う事が出来ません。
キャプテンスタッグのステンレスボトルを使用しましたが肉厚が非常に薄く難易度は高めと思いますので、何もせずこのまま持ち運ぶのをお勧めします。
又、1本を冷蔵庫で凍らせ、もう1本は横に置きこちらから飲み、飲み終わった位に凍らせた飲料が溶けて飲みごろになると言う使い方もあります。
空調服
空調服はまだ一般に完全に普及している訳ではないので、どうしても割高感が払しょく出来ません。
しかしながら、SETで買わないでバラバラに安い物で揃えれば比較的安く揃えられます。
ポイントはチェストガードの上に着用するので2~3サイズ上の物を買わないと、例え着用出来ても風が抜けません。
電池を持たす為に集合場所迄は我慢するとかしないと1日持ちません。
通常節約しながらですが私の場合10000mAの電池2本で1日最強の風量で過せます。
これもSETの物で無く携帯充電用電池を使用すれば安く上がります。
袖あり袖なし各種ありまして今迄色々試した感じでは袖なしが良かったと思います。
肌の上には涼感ストレッチインナーその上にチェストプロテクターでその上に空調服と言う順番になります。
走行中は意識がそちらには行かないので感じないのですが、停車したとき首から出る風に安らぎさえ覚えます。
チョッキ型空調服は林道走行において最高のアイテムの1つと思います。
確実に熱中症の予防になります。
爽やか清涼スプレー
市販の涼感スプレーはとても気持ち良いのですが、頻繁に使用すると直ぐ無くなり、懐迄涼しくなってしまいます。
そこで、自分で出来る涼感スプレーの作り方を紹介致します。
実際の熱を取る作用はありませんのでご承知置き下さい。
先ず、市販のハッカ油を小型の(80mL位)スプレーボトルに1/10程度入れます。
スプレーボトルは溶けない材質ポリスチエンタフレート等を選ばないと溶けてしまいます。
\100均の旅行グッズコーナーで化粧水を入れるスプレー等が最適です。
次に無水エタノールを1/10入れ残り8/10は水を入れて、使用する時に良く振って混ぜながら使います。
無水エタノールが入手出来づらい昨今無くても清涼感は変わりません。
灼熱の中を相当の運動量で走る訳ですから、完全に自分の体の状態を理解しておかないと、とても危険です。
体の熱を取る工夫をして下さい。
初期の体の変調を見逃さないようにしましょう。
メントール成分での涼感は体温を下げる効果は無い事を理解しましょう。