自動車関連企業の中から、まず希望の職種を絞る為にはどの様な業種があり職種があるのでしょうか?
自動車業界に就職や転職するにあたり・・・車ってどんな会社がどうやって作ってるのかも知りたくないですか?
そこでこの記事では、自動車に関する業種をご紹介します。
職種を選択する為に車の製造過程を知ろう
では、車両製造の流れから業界を把握する為、製造過程を順番に話を進めて行きましょう。
1台の車の誕生には、驚く程の会社の力と人の英知が注がれています。
社内協議
次期計画車両は何度も社内協議を経てコンセプトを決め、どんな車を作るか検討します。
選考時点で複数の検討チ-ムにより何案もの実写のような画像や1/1の工業用粘土(クレイモデル)で作ったモデルが出されます。
コンピューター上の画像では実感が沸かないので、視覚に訴えたり車両のボリュームを感じて欲しいから1/1モデルを使います。
選考を少数に迄絞った車両は意匠デザイナーと内部設計の手によりエクステリアやインテリアのアウトラインが決められます。
そして最終的には役員も交えたプレゼンテーション後、会議にかけられ次期車両の構想が絞られ決定します。
クレイモデルとは工業用粘土の事で、専用オーブンで60度以上に温めると柔らかくなり、冷えると固まりコテやヘラのような工具を使って削ったり、盛り付けたり何度でも調整をやり直すことができる素材です。
設計
次に各々の設計者がアウトラインで決まった仕様のボディーや機関やフレーム・足回り、更に車体内部を設計して行きます。
最近は全てコンピュター上で作業している為、各々の設計者が他部品設計者と同時並行に設計出来る時代になり作業効率は格段に上がりました。
既にこの時点でメーカー外部の設計の力と連携を取りながら作り上げています。
協力会社と連携して実際の量産やコストの等の事も加味しなければならないからです。
設計とは形状の設計だけにとどまりません。
強度設計、安全設計、組付向上設計、原価低減設計と設計は非常に多岐に渡ります。
なので、各々の部品メーカーに依頼する部品でも、設計者は材質、製法、リードタイム、コスト要求等即座に返答出来るスキルが必要です。
車の部品は約4000種3万個のパーツで生産され、各々の製作会社は数百社に上ります。
試作
設計からの指示データで各々の試作の製作を作成します。
何でもコンピューター上でシュミレーション出来る時代ですが、必ず試作担当のモデラーがクレイモデル等で外観を作ります。
クレイモデラー(工業用粘土)と意匠デザイナーがタッグを組み、より良い形を生み出します。
この際、部品の量産メーカーが立ち会う場合もあります。
社内評価を得た後、リバースエンジニアリングで数値化し各種型設計に持ちいられます。
社外協力工場で簡易型等により試作ボディーや部品がほぼ実車と同様の材質で作られます。
最近ではボディー測定で持ちいる3次元スキャナーは接触式から非接触式に変貌しつつあります。
これにより膨大な点群データを短時間に収集出来るようになり作業効率が格段に上がりました。
エンジン等の試作は量産型ではなく簡易型や鋳造用砂型等使い、又は金属の塊から5軸制御のマシニングセンター等最新鋭の切削機で切削して作成されます。
これらの試作はメーカー外部の各々の量産協力会社で行われる事が多いです。
この業界は試作会社で行われるのではなく量産を行う会社が試作段階から参加しノウハウを集め量産に繋げる事が多いです。
テスト
更に試作専用の型等使い実車と変わらない試作車を複数作ります。
試作車両は衝突安全や居住性 テストドライバ-による走行性能や極寒気候の地域や極暑地域での耐久性能や錆に対する耐久等の評価をします。
これらの厳しいテストをクリアした後、各々の部品の量産型の設計を開始します。
部品製造
量産の殆どの部品は各々の量産型によりアルミや鉄等の素材から基本の形状が出来ます。
そして其処から穴を開けたり切削したりプレスしたりと2次加工が始まります。
この工程は中小から大企業迄の外部メーカーによる製作となります。
メーカーには膨大な種類の部品を作り出す設備は無いからです。
最後は熱処理や塗装やメッキ等の工程があるものや研磨するものや溶接する物等あります、そして各々細部の仕上げを行い出荷されます。
組立
世界中にあるメーカー直系組み立て工場は各国の部品工場から届いた部品で組み立てを行います。
これらの部品は、殆どがメーカー外の専業メーカーから届いた物で、フレーム溶接やその他の作業は殆どロボットが行いますが、重要な部分は未だ熟練工の手を使い製作しています。
ガソリン車はエンジンをEV車はモーターが乗せられシートや内装が取り付けられ、社内基準に適合しているか検査を受け出荷します。
販売
完成車は各国の現地特約店契約を結んだ販売業者(ディーラー)に渡され、世界中のお客様の元に届けられます。
各々の部品を作る会社の種類
30000個のパーツの殆どはエンジンを構成する部品です。
エンジンだけに限らずその他の部品を作る会社は完全分業の進んだ業界内の会社の数は膨大な数になります。
エンジン部品を作る会社
車の中で一番部品の多いのがエンジンであり、まちがいなく最重要部品です。
エンジン部品の鋳造や切削 それに伴う鋳造型の設計会社 熱処理の会社等があります。
駆動系も含めればミッションやプロペラシャフトやクラッチ、ドライブシャフト等も其々の会社が担当します。
ミッションはエンジンとほぼ同じ製作工程をたどります。
ドライブシャフトは切削後熱処理です。プロペラシャフトは溶接等も含み共に塗装工程で最終部品となります。
プラスチック部品を作る会社
プラスチック部品等も専業会社です。バンパーやボディー及びインストメントパネル等の大物部品を作る会社があります。
ノブやウォータータンク等の小物部品を作る会社、それに伴う各々量産型製作会社、型設計会社、ダクト等作る会社等が各々に存在します。
上記のノブとウォータータンクも会社が違います。
ノブは射出成型で作るのに対しウォータータンクはブロー成型で作るからです。
バンパーやボディも最近では射出成型で作るようになりました。
成型機は金型を閉じるパワーで大きさを表しますが、バンパーの場合は何と3000tもあり30秒でバンパー1つ出来てしまいます。
電装部品を作る会社
今後はこの分野を制したメーカーが優位に立つ!
電装品はヘッドライトから始まりオーディオ機器 最近ではハイブリッド車や電気自動車の根本である電池やモーター等を含みます。
この分野は他業界からの参入も多く、今後よりAIやEV化が進む事により かなりのシェア争いで活況が見込まれます。
車の意匠面やフレームを作る会社
各々には車の基本骨格であるシャーシやボディーを作るのを板金工程と呼び 事故等の修復で言われている板金修理とは根本的に異なります。
同じ所と言えば鉄板を叩いたり曲げたりして用途に応じ形を変える所です。
板金は複雑な曲面の集合体であるが故、コンピューター制御の時代においても熟練した設計者の経験に頼る部分を多く残した分野です。
板金の実務は型設計の段階から携わるメーカー外の会社も多く存在し鉄板をプレスしてボディーやシャーシにします。
ステー等の小さい板金部品は又、別の会社が担当する場合が多いです。
製造関連では8種類の業種 及び 関連する業種
8種類の業種
外板板金 プラスチック部品 鋳造部品 部品板金 硝子やタイヤ 縫製品 電装品 大きく分けると8種類に分類されます。 車の構成部品はこのどれかに当てはまります。
メーカーは、全て部品を一から作る訳ではなく、多くの部品から構成される車という集合体を作り出す上での中枢と考えた方が判りやすいかもしれません。
車を製造するためには必要不可欠で立場上メーカーの下請けと言う位置付けですが非常に大切なパートナー達です。 ガラスの無い車やタイヤの無い車が存在しないようにメーカーにとっても重要であり 内容もしっかりしている会社の多いのも特筆すべき事柄です。
このメーカー以外の自動車関連の仕事内容も十分に充実した会社が多く存在します。
その他の業種
既にお分かりかと思いますが上記8種類の製造関連、事務系関連、それ以外に販売営業や中古車販売、レース業界 外車販売やそれに伴う整備や営業等あります。
そしてお客様に渡ってからは修理やメンテナンスの為や車検の為の整備工場、これにもメーカーと特約店契約を結んだ販売業者(ディーラー)や町の整備工場等もありますし、改造部品製作会社や取付会社、ラッピングや塗装の工場や板金塗装工場等もあります。
車の出来るまで、そして様々な業種の数々、いかがでしたか?
何気なく走っている車、実に多くの人の力によって作られているのです。