林道で遭遇する様々なトラブルとはどんなものが考えられるのでしょうか?
タイヤのパンクを除き身体的にダメージを受ける物、バイクに関わるものその殆どが転倒が原因で起こる事が多いです。
山の中では携帯電話が圏外が多く、助けを呼ぶ事や、怪我しても救助もしてもらえません。
これはオンロードでも同じで、良く峠に此処に救急車が来るのに2時間掛かりますとか書いてある看板もあるくらいで、林道は更に条件は悪く救急車そのものが入れません。
もし、不幸にもトラブルに遭遇してしまったらどうするのか、確実に帰還するためにはどの様にすれば良いのか、又トラブルを出来るだけ回避する方法とは・・・・
林道ツーリングはオンロード走行と違い、対物とか対人が少ない代わりに常に転倒のリスクが付きまとっています。
最近はプロテクターの進化により昔ほど簡単に重症になるケースは少ないとは言え、打撲や骨折等のアクシデントは出来る限り避けたい物です。
基本1人で山に入らない!これに尽きます。
転倒でレバーを折ってしまった場合
転倒すると必ずと言って良いほどハンドルレバーを損傷します。
対処の仕方の最良の方法は予備レバーを持ち歩く事です。
転倒で起こる折損や曲がり等のリスクを減らす為ハンドガードと言うパーツが有ります。
片持ちの物とハンドルエンドとハンドルに固定する物、樹脂製と金属製の組み合わせの数種類在ります。(写真はハンドルエンドとハンドルに固定されたもの)
もちろん金属製でハンドルエンドとハンドルに固定するものをお勧めします。
そして各レバー類は手で叩けば位置が変わる程度の硬さに固定すると転倒の際適度に位置が変わり衝撃のエネルギーを逃がし決定的な損傷を防ぐ様になります。
次に応急的に携帯工具の中のドライバー等の棒状の物を括り付ける方法です。
しばり付ける方法が重要でタイラップで強固に固定又はステンレスワイヤーで強固に固定しビニールテープで被覆する方法でやっと実用になります。
ビニールテープの被覆が無いと結構位置がずれて緩んできてしまう場合が多いですので被覆は必須です。
バイスプライヤーと言う工具がありますが(100均で\200位)これを使えば根本でレバーが折れてしまった場合もある程度救済出来ます、是非携帯しましょう。
この場合もビニールテープ被覆をお勧めします。
転倒でペダル類を曲げたり折ってしまった場合
林道で転倒するとペダルを曲げてしまいその後の操作に影響を与える事が多いです。
これを未然に防ぐアシストワイヤーと言う物がパーツで存在します。
昔はグラスカッターと言ってエンジンとペダルの間に草が噛みこまないようにと考案されたのですが役目が現代向きに変わって来たパーツです。
これは、ペダル類が極端に曲がらないようにエンジンと緩くワイヤーで結んだ物でアクシデントの時はワイヤーの長さ迄しかペダルガ回らないように繋いでいるパーツです。
ペダルは鋳物であったりアルミニュウムであったりした場合無理に戻そうと力を加えると折れてしまう場合があるので、材質が鉄以外の場合は現場での修復はあきらめましょう。
後日車体から外し熱を加えながらゆっくり戻すのが最良です。
又は、思い切って交換してしまいましょう!
パンクしてしまった場合
パンクは殆どの場合後輪に起こります。
前輪の跳ね上げた物が後輪に刺さるからです。
前輪はリム打ちと言うオフロード特有のバンクがあり、空気圧を下げたタイヤが鋭利な石に当たった際、中のチューブにダメージを負わす状態を言います。
もう一つオフロード特有のパンクがエアーの口金の破損によるパンクです。
空気圧を下げる事で路タイヤ路面は路面との接地面積は増えますが、圧が少ない事によりチューブとリムがズレてしまいこの部分が引きちぎれパンクに繋がります。
これを防ぐ為にはビートストッパーと言ってタイヤとリムがズレ無い様固定する部品を装着します。前輪1個、後輪1個ですがパワーの強い車両は2個使用します。
いずれの場合も修理や交換の出来るスキルを身に着ける事をお勧めします。
又、予備チューブを持ち歩くのは一番良いです。
この際携帯物を減らすなら前輪チューブのみ持ち歩けば簡易的に後輪にも使えます。
自宅に帰り正規の物に交換すれば完璧です。
オフロード走行はタイヤにまつわる整備が実に多く、お店に頼むとパンクは1本¥4、000が標準です。
もし前後タイヤ交換すれば¥8,000+タイヤ廃棄代¥600+タイヤ代とかなりの出費になってしまいます。
パンク修理のスキルがあればタイヤ交換もタイヤ代だけになります。
よってパンク修理はオフローダー必須のスキルと思って、事前に仲間に見せて貰ったりして自分でやってみて確実に出来るようになりましょう。
クランクケースを割ってしまった場合
クランクケ-スを割ってしまう理由は、ガレ場での転倒、転倒でのペダルの食い込み、前輪の石の巻き上げによるものが圧倒的に多いです。
クランクケースに限らず燃料タンクやラジエター等もダメージを受けやすい部分です。
回避の方法はクランクケースは強固なアンダーガードの装着、ペダルの食い込みにはクランクケースに貼るペダルガード等、ラジエターもガード類は充実しています。
しかしながらこれでもクラックや穴を開けてしまう事があります。
其処で”クイックメタル”という物があるのでこれで応急処置をして上からガムテープでガードすると意外と行けるので携帯をお勧めします。そんなに高いものではありません。
金属用の速乾パテですが樹脂のタンクの穴等にも応急的には使えます。
湿気に弱いのでチャック付きのビニール袋に入れて乾燥剤を入れて携帯しています。
レバーが折れた時は役不足でした。
力が掛からない部分の簡易補修に良いと思います。
ガケから落ちてしまった場合
林道走行のアクシデントの中でもかなり最悪の部類に数えられるのが”崖落ち”です。
運悪く操作を誤り林道から外れて落ちてしまった時、立ち木に刺さらない事を祈る事しか出来ません。
仲間が崖落ちを見ていた場合はすぐに救助に移れますが、そうでない場合は動けるなら林道迄上がって発見されやすくして仲間の救助を待ちます。
体の一部が損傷して林道迄這い上がれない場合に備えホイッスルの携帯をお勧めします。
転倒で骨折した場合
林道走行は細かいケガが多いです。
単純にコケただけでも打ち所が悪かったり、着地点に石があったりと多岐に渡ります。
多いケガの部位は手・足・肋骨・鎖骨・頸椎等の骨折が多いです。
それぞれの部位を守るプロテクターがあるので、必ずそれらを使い未然に最小限のケガに抑える努力をして下さい。
プロテクターをつけているからと言って骨折しないわけではありませんから注意に越したことはありません。
決してスニーカーにジーンズで山に入らないで下さい。
又、再三言いますが絶対1人で山に入る事をお勧めしません。
単純にコケただけでも体制が悪く地面とバイクに挟まり抜け出せなくなる事があります。
何だか脅している様で恐縮ですが、楽しいバイクライフを送るために事前に用意しておく事は凄く重要な事と思います
下記に記載する事を気に留め楽しい林道ツーリングを行って下さい。
1:林道に1人で行かない。
2:プロテクター等、完全装備で走る。
3:可能な限り厳選された工具を携帯する。
4:ザイル、カラビナ、スリング、滑車等の引き上げ道具を持参する。
5:保険証の携帯