バイクの楽しみ方には大きく分けてオフロードとオンロードがあります。
オフロード=未舗装路、オンロード=舗装路と言う区分けです。
そして、それぞれの楽しみ方の中には色々なジャンルがあります。
見知らぬ未舗装路を走ったり、人の手が入っていない山の中で思い切り綺麗な空気を吸い気分がリフレッシュ出来、非日常の時間を過ごせるのがオフロードツーリングの魅力です。
そのような場所や場面に遭遇する為にはオンロードだけでは到達できませんので、未舗装路を通過しなくてはなりません。
又、オンロードに比べ、比較的安全に汗をかけるのもオフロード走行の魅力です。
今回は、自然を満喫出来る最近人気の”林道ツーリング”に的を絞り、話を進めて行きましょう。
林道ツーリングはどういった物があるの?
林道ツーリングは舗装されていない路面状態の場所をオフロードバイクで走行する楽しみ方の総称を言います。
アタックツーリング
林道ツーリングの中で先ず、アタックと呼ばれる地図に無い獣道もしくは沢等の走行で通称”ゲロツー・ケモツー”と呼ばれ、押したり引きずったりでゲロを吐く迄するのが語源で、人気の変態さんのが大好きなジャンルです。
ケモツーは文字通り獣道から来ています。
これらは夏等は特に水分の管理に気を使い熱中症に気おつけなければいけません。
廃道探索ツーリング
廃道探索ツーリングと言うジャンルもあります。
廃道は元々使われていた道なので、舗装路だったりしますが長年ほったらかし放置状態で整備もされていないので地図にも無く荒れ果て土砂崩れで通行困難な道がどうなってるのか探索すると言うものです。
最近では事前にグーグルマップで調べてターゲットを決め現役だった道に思いを馳せるのも楽しい事です。
上記写真は”千葉の廃道にある手堀りの水没トンネル”です。
フラット林道ツーリング
フラット林道ツーリングと言うジャンルもあります。
林道内で押し引きをしなくても走れる林道を差し、多少の轍やクレバスは存在する場所を走破する人気のツーリングです。
元々林道は林業の為の道で伐採や運搬や手入れの為に新しい道を作り伐採が終わると管理以外使われなくなり放置される道をたどります。
稀に一般車に人気とか地元の生活に有益だったりすると舗装化して村道や町道・県道に昇格して整備されるようになります。
ラーメンツーリング
景色の良い山でコーヒーやラーメンや軽食を作って食べる通称”ラーツー”と呼ばれるジャンルがあります。
だれも居ない空気の澄んだ山の中では何を食べても爽やかですが、水とコーヒー、携帯コンロを持ち込み出来立てコーヒーを味わうのを目的とします。
又、クッカーを携帯しインスタントラーメンや簡単なクッキングも行います、キャンプ場で行わない簡易なデイキャンプと思って頂ければ判りやすいかもしれません。
キャンツー
文字通りバイクでのキャンプツーリングです。
気の合う仲間とキャンプサイトや行き止まりの林道でテントを張り食事を作り酒を飲み夜を語らうとても素敵な時間を過ごすツーリングです。
林道ツーリングの楽しみ方
貴方がどの様なジャンルを選んだとしても、それは全て正解!どれもが通常では味わえない非日常の世界を与えてくれ気分がリフレッシュされるからです。
しかし林道はほぼ隔離された山奥なので常に危険が一杯です。
携帯電話等圏外で通じない事も多く他人に依存する事が出来ないばかりか、助けを呼ぶ事さえできません。
路面は舗装も無く不安定な土の道での走行で、自然災害の後や野生動物との遭遇、毒虫刺されや転倒のリスク等様々な問題に遭遇するかもしれません。
しかし、事前に対処して臨めば一般公道でのツーリングのような相手が車での死亡事故等は本当に稀なケースとなります。
相手が車では無く速度も林道内では時速40km/hを超える事は先ずないからです。
林道ツーリングを行うには山道迄バイクで行く場合とトランスポーター(バイクを載せて行く車)に乗せて行く場合の2種類があります。
いずれも長所短所がありトランスポーターに積んで行った場合は当然ですが戻らなくてはいけませんしライディング中の駐車方法や駐車場所の心配もしなくてはいけません。
しかし帰りが雨とか雪とか疲労困憊の場合、帰りのトランスポーターは快適そのもの正に天国と言えるでしょう。
自走の場合は燃料の心配や山迄の距離を一般道を走るのでタイヤが極端に減ります。
貧乏臭い事を言うようですがオフロードタイヤと言うのは1500~5000km位しか持ちません。
しかしながら自走はどんどん次の目的地に向かって自由に走行出来るのも魅力です。
どんなタイヤが適しているのか?
林道ツーリングに適したタイヤとはどの様なタイヤなのでしょう?
先ず林道と言えども公道ですので公道走行可能タイヤを選ぶ事が基本となります。
林道で使うタイヤは大きくトライアルタイヤとエンデューロタイヤと最初国産バイクが履いているデュアルパーパスタイヤの3種類に分けられます。
エンデューロタイヤはタイヤの山の間隔が適度に離れ泥路面での排土性に優れて詰まりを防いだタイヤと言えます。
そして、林道路面の破壊を最小限にする為、FIMではタイヤの山の高さを13mm以下と規定しています。
それ以上の山の高さがある場合競技用のモトクロスタイヤと呼ばれ、公道使用不可となります。
トライアルタイヤはブロック間で路面を掴むイメージで難所で有効なタイヤです。
短所は背が高いので稀にスイングアームの奥に干渉する車種やタイヤ高が高く足つき性が損なわれる事がありますのでしっかり事前に調べて行きましょう。
又、泥路面では目が詰まり(排土性)効果を出せない場合もあるし、サイド迄パターンが無いので大きく寝かせた場合、通称”抜ける”と言う状態になる場合もあります。
なので、フロントをエンデューロタイヤでリアをトライアルタイヤを履くライダーも居るほどです。
しかしトライアルタイヤはオフ系のタイヤの中ではライフが長く5000~8000kmも走行できます。
多くの国産オフロードバイクを手にした時最初に装着されているのがデュアルパーパス
タイヤです。
オンロードとオフロードで程々の性能を両立させたタイヤで上記に書いたタイヤと比べるとオフロード性能は犠牲にされています。
しかしライフは長く8000Km以上も持ちますしオンロード性能も上記のタイヤと比べ優れています。
フロント21インチタイヤは林道の凸凹を乗り越えるのに最適で、それより小径のタイヤだと轍に嵌ったり、凸凹を乗り越える際自身に跳ね返る衝撃が大きかったりします。
左2本がトライアルタイヤ 右2本がエンデューロタイヤ
自分の体にバイクを合わせてみよう。
1番最初は自分に合わせたハンドルの高さに変更する事をお勧めします。
オフロードではマシンの重心を下げより凸凹を通過しやすくする為にスタンディングと言ってシートに座った状態からスタンディングする事でシートに有った重心が車体下部のフットレストに重心が移ります。
重心が下がれば倒れにくく悪路の走破性は著しく上がります。
この際ハンドル位置が低いと手が届かない、又は極端な前かがみの状態に陥る事になるから自分に合ったセッティングをお勧めする訳です。
ハンドルポストにスペーサーを噛ませたり、長いハンドルキャッチに交換して、好みの高さに調整します。
次に足つき性の向上の為にサスペンションの調整をします。
身長の高い体格に恵まれた方はそのままの状態で良いのですが、オフロードバイクはシートに座ると足が付かない事が多いです。
その場合まずリアのスペンションを調整して車高を下げます。
それに伴い前側のサスペンションも調整するか、ステムに取りついているフロントフォークの取り付けを調整します。突き出しの調整と言います。
それでも改善されない場合はシートの表皮をはがし中身のスポンジを削りシート自体を薄くします。
通称”アンコ抜き”と言われる調整です。
又はメーカーで設定のある場合ローシートに取り替えますが、快適性はスポイルされるのはしかたがないです。
次に各レバー類の位置の調整やブレーキペダルやシフトペダルの位置調整も必要です。
特に林道ではグローブを嵌めエンデューロブーツで走りますので位置調整は必須となります。
他、専用設計された機体を除き2人乗りの際でも走行が可能なようにサスペンションが固く設定されていますので、調整機能のある車種では1人乗り様にサスペンションを調整する事をお勧めします。
一般的に林道でしたら最弱で良いかと思います。
林道ツーリングの魅力を余すところなく動画で紹介しているのがこちら!
https://www.youtube.com/user/POLECOGAN/videos?view_as=subscriber
Pole Cogan TV です。