オフロードバイクでの林道走行

林道走行前後にはメンテナンスをしよう!

林道ツーリングは、山深い未舗装路を走行するのが定番です。

此処では携帯の電波すら届かない事も多く、行きかう人も車も民家も皆無と言う状態がとても多いです。

こんな場所で、もし機体にトラブルが起きたら大変な事になりますし、仲間とツーリングしている場合は同行の仲間に多大な迷惑をかける事になります。

もし1人で行っていたらそれこそ遭難と言う状況になる事を覚悟しましょう。

それらのトラブルを出来るだけ未然に防ぐ方法とは、日頃のメンテナンスの出来不出来によるものがとても多いようです。

始業点検じゃないですが整備をルーティーン化してゆくと効率が良いです。

林道に行く前のメンテナンス

具体的には、どのような部分を重点的に点検してゆけば良いのでしょうか?

此処ではそれらの部分についてお話ししましょう。

下記で話す内容全部の整備をしても1時間もあれば余裕で終りますので、面倒がらずに行う事をお勧めします。

各部緩み点検

オフロード車は凸凹道を走る事が多い事や単気筒が多いエンジン構造による振動は多く各部締結は緩みがちです。

特にサスペンション回りやブレーキ回りハンドル回りが多いので注意しましょう。

あまり外す事の無い場所はネジロック剤を塗るとか、ネジロック剤が無い場合はマニュキア等でも代用出来ます。

又、ナンバー等の取り付け用のナットは緩み止め防止ナットに変更しておくのが望ましく出来るだけ変更出来るナットは緩み止めナットにしましょう。

また、各部増し締めと良く言われますが、全て毎回増し締めしていたら締め付け過剰になりネジ山が切れてしまうのでサービスマニュアルに記載されている規定トルクで正しく締まっているかの確認に留めます。

ブレーキパッド ブレーキフルード ブレーキローター点検

これらの項目の基本は目視です。

オフロード走行はオンロードに比べディスクやローターにとっては凄く過酷な環境で機能している訳で、路面の砂や小石、泥等がヤスリのように襲ってきます。

オンロードより走行距離が少なくても減りやキズは付きやすい環境なのでマメに点検を怠らないようにしましょう。

チェーン調整

オフロード走行はチェーンに取っても非常に酷な環境の中で機能しているパーツです。

スイングアームと前端ドリブンスプロケットの位相差があるのでチェーンにたるみを与えなければ物理的にも成立しません。

上記が同軸であればたるみはほぼ必要無いと言う事になります。

そしてオンロード車よりオフロード車はリアストロークが多い為、よりたるみが必要になりオンロードで基本のチェーン下部中央で30mmの基本は今時のオフロード車では通用しません。

オフロード車はチェーン下部はチェーンが外れないようにする為、チェーンガイドと言うパーツが付いているので、この部分で測定出来ません。

そこで上部中央でスイングアーム上面とチェーン下部との長さを測ります。

車種によりこの基準は異なりますのでマニュアル参照を基本に行います。

簡易でやるばあい50mm位と言うと男性の指3本位で、何もない時の基準にします

次にチェーンクリーナーとブラシ等で洗浄ですがタイヤやディスクに掛からないようガードのダンボール等でカバーしておきます。

最後はチェーングリスをチェーンに塗って終了です。

グリスがタイヤに掛からないよう此処でもガードしてください。

油脂類点検

通常のメンテナンスでは無く、林道に行く前の点検ですので油脂類が規定量入っているかの点検をして下さい。

もちろんOIL交換時期であれば交換します。

4ストロークモデルはエンジンオイルを2ストロークモデルはミッションOILと分離給油用のOILを点検します。

これらはメーカー指定の銘柄をお勧めします。

基本規定量入ってる事が重要で多すぎても少なすぎてもいけません。

補水点検(水冷の場合)

ラジエターキャップを外しクーラントを点検します。

水が減っていればメーカー指定のクーラントを補水しておきましょう。

水道水の補水はラジエターの腐食を促進させてしまいます。

ついでにキャップが正常に閉じれるかも見ておきます。

簡単にキャップが締まってしまうのはキャップとしての機能が失われていてオーバーヒート等のトラブルを誘発します。

エアクリーナーの清掃

エアクリーナーは出来れば2個用意して何時も綺麗な物を装着するのが最高です。

掃除は先ず車体から取り外します。

この際インテークに泥等の異物が落ちないよう細心の注意をしましょう。

取り外したエアフィルターはメーカー指定の洗剤もしくは液体洗剤をお湯で希釈したものに
先ず漬け置きが基本です。

やさしく揉み洗いも有効ですが、強く揉むと破れますので気おつけて下さい。

そして十分に乾燥させた後、メーカー指定及び相当に準拠するフィルターOILをまんべんなく塗布します。

エアクリーナーBOXに密着する部分には特に多めに塗布するか、専用のグリスを塗っておきます。

取りつけの際クリーナーBOXの汚れがインテークに入らないよう細心の注意をします。

スパークプラグの清掃

これは頻繁に行わなくても定期的にカーボンの蓄積や電極間のギャップの寸法を把握しておき、汚れたり電極が丸くなったりしていたら交換します。

カーボンだけの場合はワイヤーブラシでの清掃も有効です。

これは完全に消耗品と思いましょう。

又特殊な品番で一般に流通していないようなものは、必要な時すぐにありませんので前もって予備を確保をしておきましょう。

保安部品点検


林道ツーリングは公道を走行するので一般法定保安部品やナンバーの曲がりや汚れも常に修正清掃しておきましょう。

ヘッドライト上下、ウインカー左右、昼夜テールライト、停車時ストップランプ、ホーンの点検等をしましょう、他バックミラーも良く緩んだりするので点検しておきましょう。

合わせて各レバー類の遊びや緩み、アクセルの遊び等の操作系の点検も怠らないようにしましょう。

タイヤ摩耗 空気圧 ビートストッパー点検

タイヤの摩耗は駆動力の低下はもとより、ブレーキ性能の低下に繋がり快適な林道走行に支障をきたします。

又、出発前は今までの自分の中で最良のライディングを発揮出来た時の空気圧にセットアップしておきます。

ビートストッパーの点検はチューブの空気圧を落とした際、駆動やブレーキングによりタイヤとチューブがずれてしまい口金がリムで切れる事を防ぐ為、緩みを点検しておきます。

特にタイヤを組み替えた後等緩む事がありますのでしっかり点検をします。

固定はチューブに適正空気圧を入れた状態で行います。

林道から帰ってからのメンテナンス


オフロード走行の後のメンテナンスの基本はまず洗車です。

洗車をすることで、泥で見落としている不具合箇所の発見が容易になりますし、その後のメンテナンスも容易になります。

バイクは水に濡らしたく無い部分があります。

基本的にエンジンの空気の入口と排気の出口で入口はエアクリーナーで出口はマフラーサイレンサーと言うわけです。

エアクリーナーやサイレンサー専用のガードもありますが、無い場合はコンビニの袋等を使いテープでとめて水がはいらないようにしてから洗車を始めます。

下記は洗車用プラグとして市販されているものですがサイレンサー出口の径が合っていないと使えませんので必ず測ってから購入しましょう。

基本的な点検整備は、安全で快適な林道走行を約束します。

何よりトラブルが激減しますし機体も長持ちします。

洗車から始めて、出発の前には十分な点検を行うことで楽しいバイクライフをお送りください。